Cardanoステーキングにおける一般的見解(1/3)

全てのステークホルダー(委任者とプールオペレーター)への勧め

これは、元のIOGブログ記事の翻訳です

プロジェクトとして、分散化は議論の余地なくCardanoの最も重要かつ基本的な目標です。プロトコルとパラメーターは、すべてのブロックチェーンにとって基盤を提供します。先週、現在予定されているCardanoパラメーターの変更について、そしてそれがどのようにステーキングエコシステムに影響し、分散化という使命を加速させるかについて概要を述べました。

しかし、コミュニティ自身、すなわち、これをどう見て、どう行動し、どのように共通の基準を設けるかがこの成功のペースにおける重要な要素となります。Cardanoは、ブロックチェーンシステムを成功裏に運営するために必要なすべてのプロパティを、「計画的に」提供できるよう、非常に慎重に設計されています。しかしながら、Cardanoは社会的構成物でもあり、その点において、遵守、解釈、社会規範がその回復力と存続性を形成するうえで重要な役割を果たします。

12月6日(日本時間7日)のkパラメーターの調整を控え、ここではステーキングに関するより幅広い見解を、Cardanoで使用されている報酬共有スキームの革新的機能を一部強調しながら紹介したいと思います。

原則と実践的意図

主要な原則の概要とともに、本稿では実践的な意図をはっきりと示しています。これは、ステークホルダーにガイダンスと推奨することを幾分か提供することにより、彼らが有意義にメカニズムにかかわり、プロジェクトのより長期的な戦略的目標を、その行動によりサポートできるようにすることです。

IDベースの参加ではなく、ユーザーの母集団全体に何らかの形で分散しているリソースに基づくコンセンサスは、ビットコインブロックチェーンの開始以来、ブロックチェーンスペースの特徴となっています。ここで、プルーフオブステークシステムは、ブロックチェーン自体に記録されている仮想リソースであるステークを使用する点において異なります。

参加するためにリソースをプールすることは避けられないことです。ある程度のプーリングは通常、経済的な意味で有益であるため、リソース保有者はそれを実現する方法を見つけることになります。この必然性を考えると、システムは、独裁政権や寡頭制の出現をどのように防げばよいのか、という疑問が生じます。

報酬共有スキームの目的

他のブロックチェーンシステムとは異なり、Cardanoは報酬共有スキームを使用し、(1)摩擦を最小限に抑えてステーキングを容易にするだけでなく、(2)リソース所有者が合理的に関与することにより、システム全体の分散化が自然に生じるように、リソースのプールを奨励します。

このメカニズムには、次の 2 つの大きな目的があります。

  1. すべてのステークホルダーを関与させる – これは重要です。システムに関与するステークホルダーが増えるほど、分散型台帳の安全性が高まるためです。これはまた、システムへの参加に障壁があってはならず、メカニズムに関与するためにステークホルダー間でオフチェーンでの調整を要求することによって摩擦を生じさせることのないものでなければなりません。
  2. 個々のステークホルダーのレバレッジを低く保つ – リソースのプールにより、一部のステークホルダーのレバレッジが高まります。プールオペレーターは、自分のリソースではなく、プールが管理するリソースに比例してシステムに影響を及ぼします。プールなしでは、すべてのリソース所有者は正確に1のレバレッジを持ちます。これは、たとえば、10万ADAを所有するプールオペレーターが合計2億ADAのステークが委任されたプールを管理するのとは対照的です。このオペレーターのレバレッジは2,000です。システムのレバレッジが高いほど、セキュリティは低下します(これを確認するには、レバレッジが50を超えると、51%の攻撃を開始するために必要なリソースは合計のわずか1%であることを考えてください)。

また、プールサイズが不釣り合いに大きいことが、レバレッジが増加する唯一の理由ではないことも強調しておく必要があります。利害関係者が公然または秘密裏に複数のプールを作成すること(シビル攻撃と呼ばれるもの)も、レバレッジの増加につながる恐れがあります。ブロックチェーンシステムのレバレッジが低ければ低いほど、分散化の程度は高まります。

実践に移す

では、Cardanoで使用している報酬共有スキームはこの目的にどうマッチするのでしょうか。このスキームを介したステーキングにより、2つの点が可能となります。出資と委任です。出資はステークプールオペレーターに適用されます。出資ステークはステークプールに投じられ、プールが稼働し続ける限りそのままにしておくものです。出資は、いわばネットワークへの「コミットメント」であり、プロトコルの安全性をサポートするために、一定量のステークを「ロック」します。一方委任は、オペレーターとして関与することを望まない人々のためのものです。代わりに、彼らは、ステークプール運営者が提供する提供物を評価し、自分の利益とコミュニティ全体の利益に最も役立つと判断する1つ以上のプールに、自分のステークを委任することを勧められています。委任しても資金をロックする必要がないことから、Cardanoにおけるステーキングを控える理由はありません。すべてのステークホルダーは、ステーキングに関与することができ、またこれが奨励されています。

メカニズムの動作の中心となるのは、kとa0の2つのパラメーターです。kパラメーターは、プールの報酬を利用可能な合計の1/kに制限します。a0パラメーターは、単一のプールにより多くのステークを出資するための利点を生み出します。プールにX量の出資を追加すると、その報酬が最大a0 * Xまで追加的に増加します。これは他のプールを損なうものではありません。出資が不十分なために請求されないままになっている報酬は、Cardanoのリザーブに戻され、将来割り当てられるからです。

ステークプールを作成する際、オペレーターは出資額を決定するだけでなく、マージンと運用コストを明示する必要があります。各エポックの終わりにプールの報酬が割り当てられると、まず運用コストを源泉徴収し、ステークプールの存続を保証します。続いて、オペレーターの利益が計算された後、すべてのプール委任者に、そのステーク量に比例したADA報酬が支払われます。

このメカニズムは、委任によって実行されるステークプールの評価と組み合わせて、可能最大額の出資をしている同サイズのk個のプールという構成にシステムが収束するよう、一連の適切な制限を設定します。平衡点には、委任者の報酬が均等化されるという特性があります(したがって、どのプールに委任するかは関係なくなります)が、ステークプールのオペレーターは、パフォーマンス、コスト効率、およびエコシステムへの全体的な貢献に対して適切に報酬を受け取ります。

上記を実現するためには、有意義かつ合理的な方法でメカニズムに関与する必要があります。ステークホルダーがメカニズムを理解するのを助けるために、ここでいくつかの推奨されるポイントを紹介します。

詳細は以下のリンクを参照下さい。

  • 委任者への勧め
  • プールオペレーターへの勧め

Cardanoステークホルダーの皆さんにとって、上記のアドバイスが、ステーキングに取り組むうえで有益で役に立つものであることを願っています。他の多くの点と同様に、Cardanoはブロックチェーンデザインに徹底的に研究した斬新なメカニズムを導入しています。報酬スキームは、本稿の冒頭に述べた一連の目的を満たす均衡を提供することが数学的に証明されています。ただし最終的に数学は十分ではありません。これを実現できるのは人々だけです。

Cardanoの未来はコミュニティの手に握られています。

本稿で表明された見解は教育飲みを目的としたものであり、いかなる金融的アドバイスを提供することも意図していません。