kの影響(150から500まで)

カルダノのメインネットワークでは、2020年8月に パラメータk は150に設定されました。 これは、必要なプール数です。 それは厳密な規定値ではありませんが、報酬とランキングを求める式がこの値に基づいており、いわゆる ナッシュ均衡 を達成するために、このパラメータを使用しています。

2020年11月5日、研究者や技術者のコミュニティとの話し合いによって、 この値を150から500に増やし、2020年12 月6日から有効としてこれを周知していくことが決定されました。

これは大きな変更ですが、理にかなっています。 小さな変更を何度も実施しようとすると、プールオペレーターとステークの委任者はいずれも、過飽和で報酬の少ないプールを避けるために、新しいエポック毎に繰り返し望ましい状態を求めて対応する必要があります。

では、過去に実施したプールの発達とをの密集状態を表すデータを更新し、この新しい k 値の発表後の効果を見てみましょう。

予想通り、どのプールオペレーターにとっても、短期間で委任者に手を差し伸べるのは簡単ではありませんでした。 ステークを多くのより少ないサイズのプールに再配分するには、多くのエポック、すなわち数週間かかりました。

k=150では、プールの飽和点は約2億1000万ADAでした。 k=500 では、新しい飽和点は 6,400 万 ADA です。 これにより、多くのプールオペレーターが追加のプールを作成することになりました。 しかし一方で、委任者を既存の小さなプールに移動させる効果もありました。

時間の経過に対する変化

次のグラフの動画では、プールの成長と時間の経過を追ってサイズ変化を示しています。 エポック227から234までの期間に注目してください。 タイムライン上の希望する位置をクリックすると、すべてのエポックに簡単にジャンプできます。

どうなったでしょうか?

10月と12月の初めだけを切り取って表してみます。 より小さなサイズのプールへの再委任の効果を確認するために、グラフの形を比較します。

赤い線がより平準化しているので効果があったことがわかります。 理想的なナッシュ均衡では、500個のプールがすべて同じサイズ(水平なグラフ)になります。

2020年12月11日 更新分
さらにエポックが進んだため、再度スナップショットを実施しエポック234終了時のグラフを表示します。

新しいk値が有効となったのちに、一部の委任者は少し遅れながらも対応したことがわかります。 赤い線はさらに明らかにより水平に近くなりました。 しかし、今でも新しい飽和点を明らかに大きく上回り、利回りを大きく棄損しているプールが35個あります。

しかし、この赤い線がより分散化を進めたことを意味するかはどうかは別の問題です。 プールオペレーターが追加のプールを作成し、委任者を新しい追加プールに誘導した場合、そのプールも、同じエンティティによって所有および管理されるため、実質的に分散化していません。

この視覚化データは、pooltool.io から引用しています。